【ゴンジロウ塾】「ごんぶろ」完成!
今から120年前は火の元を茅葺屋根から切り離すために、離れにキッチンなどの水回りを集約させていた。しかし近代化に伴い、利便性を重視するためにキッチンや風呂場が母屋にうつった。その結果使われなくなった離れを岡部研究室では2013年から炊き場に手を加え、台所機能を復活させ“ハナレ”として生まれ変わった。翌2014年には、廃屋キッチンにトイレを新設した。
今回は、ハナレ改修時にトリアージにより残されていた風呂場の改修を行った。風呂場は母屋の北側にあるが、学生のライフスタイルと合わずあまり使われていなかった。そこで、水回りをまとめること、現代のライフスタイルにあった風呂場をつくることを目的として施工を行ってきた。
また、本プロジェクトでは、既存の環境を読み取り、そこにあるものから発想し実践するデザインプロセスをとった。マテリアルに制限をかけることで、プロの技術指導者と素人の学生がアイデアを出し合い、設計と施工が一体となったアフォーダブルな施工*1の〈かたち〉を開発することを目的としていた。結果、倉庫に眠っていた葦簀を床材として使用することとなり、葦の風合いや質感が残ったままレジンによって防水性能が付加された仕上げとなった。
ゴンジロウにいらした際はぜひご使用ください!施工の過程はinstagramにて公開しています。
*1 アフォーダブル施工:プロの技術指導と助力で素人が主体的に関われる施工方法を開発していくプロセスであり、それを可能にする、誰にでも開かれた社会的しくみが表裏一体となった施工方法のこと
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